会計の概念で見る「すき家」の事例

庶民の味方である牛丼チェーンの一角「すき家」ですが、つい先日、警察庁より防犯体制に不備が目立つとして異例の指導を受けました。

今年の1~9月に発生した牛丼店の強盗事件(71件)のうちなんと約9割にあたる63件が「すき家」で発生していたようです。※件数には未遂も含まれます。

その原因として、深夜時間帯の1人勤務体制を挙げています。

ゼンショーでは、警察庁からの指導にのっとり、2012年3月末までに全店舗を目標に深夜時間帯を2名以上の勤務体制にすることをHPで明らかにしています。

さて、今回の一件を会計の観点から見ていきましょう。
インターネットから掌握できる情報を以下まとめてみます。 
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★2011年3月期の売上高   370,769百万円
★うち牛丼店の占める割合  43.2%(160,172百万円)
★店舗数(3月時点)      すき家:1,562店舗、なか卯:493店舗
※なか卯も2010年3月よりゼンショーグループに加わっています
──────────────────────────────
※以下の計算結果は、上記の情報に基づき、担当者の私見で導き出したものです。
当然ながら、実際の数値とは異なりますので、あらかじめお含み置きください

すき家 1店舗あたりの売上高は?

○1年あたり       77,932千円
○1か月あたり(1年÷12) 6,494千円
○1日あたり(1か月÷30)  216千円

強盗事件の被害額は?

強盗事件の発生件数は、7件/月(63件÷9か月)です。
強盗に襲われた際、1日あたりの売上高を全部盗られてしまうと仮定すると、1か月および1年の被害額は
以下の通りです。

○1か月 216千円×7件 = 1,512千円
○1年  1,512千円×12か月 = 18,144千円

深夜時間帯 2名体制のインパクトは?

全1,562店舗でアルバイトを1名採用するとします。
「時給:1.2千円」「労働時間:8時間」と仮定すると、以下の人件費が追加で発生する計算になります。

○1か月 1.2千円×8時間×30日×1,562店舗 = 449,856千円
○1年  449,856千円×12か月 = 5,398,272千円

──────────────────────────────
防犯上の観点から、これまでの状況を容認できないのは百も承知ですが、ゼンショー側からすると、
「巨額の人件費増 ⇒ 減益」が余儀なくされます。
(極端な見方ですと、18,144千円を守るため、5,398,272千円を投資するとも言えます)
いずれにせよ今回の一件は、従来の低価格路線に何かしら影響を与えるのかもしれませんね。

もし皆さんが、
★社会の要請で、防犯対策を進めなくてはいけない!
★一方、企業として利益を確保しなくてはいけない!

このような状況に直面したら、どのような意思決定をされるでしょうか?
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