「元役員による会社資金の横領」から内部監査を考える

ここ最近、大手製紙メーカー元会長の巨額借入(約100億円)が騒がれているのは既にご存知かと思います。

今回の大騒動とは別件で、会社役員が絡む不正が約1か月前に明らかになりました。
保険比較サイト運営会社の子会社元役員が会社資金を横領していたようです。 

横領した金額ですが、現時点で約8,000万円まで掌握できているようです。
尚、この元役員は事件の発覚前に姿を消しており、真実の解明には時間を要することが予想されます。 

通常、「横領」を含めた不正を行う場合、

○動機・プレッシャー
○機会
○姿勢・正当化

の3要素が存在すると言われています。
公開情報は少ないですが、今回の元役員のケースを上記3要素に紐づけてみたいと思います。

※当メールの内容はインターネット等に公開されている情報に基づき、担当者の私見をまとめたものです。会社全体の意見ではございません。
当然ながら真実と異なる可能性がございますので、あらかじめご了承ください

1.動機・プレッシャーは?

内部調査委員会の中間報告書によると、横領した8,000万円は主に「遊興費(賭け事・飲み食い)」に充てられた可能性が高いとのことです。

この点は、最近の大手製紙メーカーの元会長と類似しているかもしれません。

2.機会は?

元役員は印鑑保管管理者のため、銀行印を簡単に利用できる立場にありました。
この機会を利用し、

1、子会社名義の銀行口座を勝手に開設
2、1の銀行口座を債権の振込先に指定
3、振り込まれた金銭を不正に引き出す

という手口により、8,000万円を横領したそうです。

 3、姿勢・正当化は? 

元役員のお人柄については、知る由が無いため何とも言えませんが、横領した8,000万円は、遊興費に充てられたという事実から推測すると、

「お金が足りない」⇒「○○万円ぐらい引き出してもいいや」

という感覚だったのでしょうか?

いずれにせよ、本来であれば、このような不正を防ぐためにしっかり管理しなくてはいけない立場にも関わらず、自らが率先して悪事に手を染めるとは言語道断です。

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以上、3要素を見てまいりましたが、他人事で終わらせるのではなく、「どうすれば発生を防ぐことができたのか?」を考えていくことが重要です。

例えば、アメリカの企業では資金を扱う従業員に身元調査の保険を掛けるそうです。
もし不正を行えば、保険会社が徹底的に調査を行いますので、抑止力につながると考えられています。
皆さまであれば、どのような方法を取るのでしょうか?

CIAコースは、内部監査の専門的実施の国際基準に基づき、「監査の視点」を養成していただくカリキュラムになっており、内部監査のデファクトスタンダードを学習します。また、不正の兆候(Red Flag)や職掌分離についても学習します。

「監査の視点」は経営者に求められる素養の1つです。
内部監査に従事されている方はもちろん、将来的には企業経営に関与していきたいとお考えの方にも、とても有益です。 

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