2011年のMBO実施企業数、ついに20社の大台に!

2011年の株式市場を振り替えると、「MBO(マネジメント・バイ・アウト)」が頻発した一年になりました。

直近の事例を申し上げますと、去る2011年12月16日、芸能事務所で有名な「ホリプロ(東証一部)」がMBOの実施について正式にリリースしました。

この一件により、2011年のMBO実施企業数は20社の大台に乗りました。

昨年の実施企業数が13社なので、5割近く増加したことになります。

お時間の無い方が多いと思いますので、今回ホリプロがMBOに至った経緯を上記リリースよりピックアップしてみたいと思います。

◆ 従来のビジネスモデルが通用しなくなった

企業の広告費削減をはじめ、厳しい経営環境に晒されている同社では、2012年3月期決算が減益になる見通しを立てています。

長期的に企業価値を向上させるためには、従来のビジネスモデルに留まらず、新たな競争力を備える改革と事業の選択と集中の実行が不可避と判断し、以下の施策を考えているようです。

1、新規事業の創設等
2、新市場(アジア各国)への進出
3、基幹事業の見直し
4、不採算事業の見直し

これら施策を実行すると、短期的にはコスト増→業績悪化につながることが見込まれます。
業績悪化により株価が下落してしまうと、株主に対し迷惑をかけることになります。

「短期的な業績に囚われず、中長期的な視点に立って変革に取り組みたい」

との考えから、今回のMBOに至ったようです。

◆ 上場コストが割に合わない

別の側面からも見てみたいと思います。

既に幅広い知名度・ブランド・信用力を誇る同社にとっては、上場によるメリットが必ずしも大きくない状況にあるようです。

一方、資本市場においては、規制の急速な強化により、

◇会計基準の厳格化
◇J-SOX(金融商品取引法上の内部統制)
◇IFRS(国際会計基準)準拠による開示項目の変更
◇有価証券報告書等の継続開示にかかる費用等

といった、いわゆる「上場コスト」の増加が見込まれます。

同社の場合、上場を維持しておくことは、必要以上の経営負担になっているようです。
つまり、上場は「割に合わない」ということなのでしょう。 

以上、MBOについて見てまいりましたが、2012年以降はどうなるのでしょうか?

これは私見ですが、大企業による一連の不祥事により、社外取締役を置くことを義務付けるような動きが出始めています。

B案にフォーカスしてみると、全上場企業+αが対象になりますので、影響の範囲は甚大です。

もし社外取締役が義務化されれば、株式非公開化の引き金の1つになるのでは?と個人的に考えています。

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