2013年、MBOの実施動向は?

今回ですが、過去にも取り扱ったMBOをテーマにしたいと思います。

2012年にMBOによる上場廃止を選択した企業は10社だったそうです。
ブームに沸いた2011年は21社でしたので、約半分といったところでしょうか。
(もしかすると、ブームが去ってしまったのかもしれません)

【過去の記事はこちら】
http://mpse.jp/abitus/v.p?012ceLm5hS9

MBOを実施した企業の1つに、英語関連の事業を行う「アルク」が含まれます。その一方で、MBOで上場廃止→ 再上場した企業もあるようです。

◆あの有名な居酒屋チェーンが再上場

「はなの舞」「さかなや道場」などの居酒屋チェーンを全国展開する「チムニー」が、2012年12月14日に再上場(東証2部)を果たしました。

再上場に踏み切った理由をまとめると、

●当初MBOの目標に掲げた

 1.経営環境の変化に対応できる意思決定スピードの向上
 2.既存のビジネスモデルを超えた新たな枠組みへの対応
 3.時代・環境にマッチする新たな業態または既存にとらわれない新業態の開発

の3点が達成できたこと。

●業績拡大に大きなプラス要因になることが考えられること具体的には、

 1、企業イメージの向上
 2、信用度向上による資金調達能力の拡大
 3、知名度アップによる優秀な人材の確保がよりしやすくなること

を挙げています。

◆MBOに批判的なコメントについて

通常、MBO実施の理由として、

●短期的な業績に左右されない中長期的視野に立った経営の実現
●上場維持コスト(内部統制、IFRSなど)の増大

を掲げるのが一般的です。

これは2011年2月の話になりますが、東京証券取引所の斉藤社長が、苦言を呈していたことがあります。

その一部を抜粋すると、

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最近の(MBOによる上場廃止の)理由は、株主に一々説明が面倒くさいとか、手続きが面倒くさいとか、人からおカネをいただいて事業をやらせていただくという感謝の気持ちが足りないのはないでしょうか。

感情的ですけれども、私はそこがいささか好ましくないのではないかと思いますね。それが私の感想です。
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証券取引所の代表というお立場からのコメントなので、批判的な内容になるのは仕方がないことかもしれません。ただしこれは私見ですが、コメントの中には納得できる部分も含まれている気がします。

◆◇◆

さて、2013年のMBO実施動向はどうなるのでしょうか?

4月より始まる決算期の監査から「不正リスク対応基準」が適用される予定です。
これに伴い、監査コストが増大する可能性があるとも言われているので、「上場維持コストの増大」という理由によるMBOによる上場廃止が起こりうるかもしれません。

引き続き推移を見ていきたいと思います。 

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